「ペットボトルやフライパンを持つと肘の外側がズキッとする」「雑巾を絞る、ドアノブを回す動作で肘の外側に痛みが走る」「テニスはしていないのに、テニス肘と言われそうな場所が痛い」。物を持つと肘の外側が痛む症状は、動作をかばえば生活できてしまうため、相談を先延ばしにしやすい症状です。
この記事では、物を持つと肘の外側が痛むときに整理したいこと、確認したい症状、医療機関へ相談したい症状、負担を増やしにくい工夫、受診時に伝えたいことをまとめます。肘の痛みの原因を特定できるのは医療機関です。この記事は判断のための材料としてお読みください。
痛む場所と、支障が出る作業を整理する
「テニス肘」はよく聞く通称ですが、テニスをしていない方にも同じ場所の痛みは起こりますし、肘の外側の痛みがすべて同じ原因とは限りません。病名を決めて話すより、次の点を整理して伝えるほうが、原因の確認が進みます。
- 痛むのは肘の外側の骨の出っ張りのあたりか、その少し下の前腕か、肘の内側か、肘の裏側か
- どの動作で痛むか(物を持ち上げる、握る、ひねる、タオルを絞る、キーボードやマウスの操作、子どもを抱く)
- 痛みで持てなくなった物や、できなくなった作業があるか(やかん、買い物袋、洗濯物など)
- 動かさなくても痛むか、夜間に痛むか
- いつから続いているか。きっかけになる出来事(転倒、強くぶつけた、新しく始めた作業や運動)はあったか
痛みを確かめる自己テストは必要ありません。痛みを強めることがあります。自然に出ている痛みの場所と、支障が出ている作業を伝えれば十分です。
腫れ・しびれ・外傷・ほかの症状を確認する
- 肘に腫れ、赤み、熱っぽさがあるか。肘が曲げ伸ばしできない、引っ掛かる感じがあるか
- 前腕から指にかけてしびれや感覚の鈍さ、力の入りにくさがあるか
- 発熱や、体全体のだるさがあるか
- 転倒して肘や手をついた、ぶつけたなどの外傷があったか
- 肘以外の関節(手首、肩、膝など)にも痛みや腫れがあるか
- 首や肩の痛みと一緒に出ているか
外傷のあと、腫れや熱っぽさ、しびれ、ほかの関節の症状がある場合は、後述する「医療機関へ相談したい症状」を先に確認してください。
医療機関へ相談したい症状
次のような症状は、肘の問題として様子を見ず、救急要請(119 番)をしてください。救急車が必要か迷うときだけ、救急相談(#7119)を使ってください。
- けがのあとに出血が止まらない、傷から骨が見えている(どちらか一つでも)
- 痛みが強く、安全に移動できない
- 指先の感覚が無い、または反対側に比べて手や指先の色が急に青白く冷たい
- 新しく出た、顔のゆがみ、ろれつが回らない、腕だけでなく片側の手足の脱力(このうち一つでも)
- 意識がぼんやりする、受け答えがはっきりしない
- 転倒で頭を打ったあとに、意識がぼんやりする、繰り返し吐く、頭痛が悪化していく(このうち一つでも)
次の場合は、整体や自宅での工夫で様子を見ず、予約診療を待たずに、当日中に救急外来へ相談してください。
- 肘が明らかに変形している(一部曲げられる場合を含みます)
- 転倒やぶつけたあと、肘が腫れて曲げ伸ばしできない(お子さんや高齢の方は骨折の可能性を否定できません)
- 転倒やぶつけたあと、お子さんや高齢の方が痛がる、腕を使いたがらない(曲げ伸ばしが一部できる、伸びきらない場合を含みます)
- 発熱や、肘の赤み・熱っぽさを伴う
- 短時間で急激に腫れてきた
- 急な前腕や指のしびれ、急な力の入りにくさ
- 安静にしていても強まっていく痛み
- 転倒で頭を打った(上の症状が無くても、当日中に救急外来へ)
次の場合は、整体より先に医療機関(整形外科など)へ、日数を置かずに相談してください。
- 物が持てない、作業ができないなど、生活や仕事に支障がある
- 前から続く前腕や指のしびれ、力の入りにくさがある
- 夜間に痛みで目が覚める
- 肘が引っ掛かる、伸びきらない
- 肘以外の関節にも痛みや腫れがある
ここに当てはまらないことは、受診が不要という意味ではありません。かばいながら続けられるからといって問題が無いとは言えず、支障があれば日数を待たずに相談してください。
負担を増やしにくい工夫
ここからの工夫は、119 番の症状も、当日中に救急外来へ相談する症状も無いときに限ります。原因がはっきりしないうちは、痛みを確かめるために重い物を持ってみたり、肘を強く伸ばしたりしないでください。
- 物を持つときは手のひらを上に向けて下から支える、両手で持つなど、肘の外側に負担が集まりにくい持ち方を選ぶ
- 買い物袋ややかんなど、痛みが出る物は小分けにする、台車やカートを使う、周りの人に頼む
- タオルを絞る、ドアノブを回す動作は、痛みが出ない範囲で両手を使う
- パソコン作業は、肘から先が机に乗る高さにし、マウスを握り込まない。途中で手を休める
- 患部を強く揉む、押す、自分で引っ張ることは避ける。腫れや熱っぽさがあるときは温めない
これらは痛みを強めにくくするための工夫であり、原因への対処ではありません。市販のサポーターやバンドは、締め付けでしびれや冷たさが出るなら使わず、使い方は医療機関で相談してください。工夫をしても痛みが続く、強くなる場合は、日数を待たずに医療機関へ相談してください。
受診時に伝えたいこと
- 痛む場所と動作、支障が出ている作業
- いつから続いているか。きっかけの有無
- 腫れ・しびれ・発熱・ほかの関節の症状の有無
- 仕事や家事、運動で腕をどう使っているか
- 治療中の病気、飲んでいる薬
向ヶ丘遊園で相談先を考えるとき
肘の外側の痛みは、腱の付け根、関節、神経、骨など、さまざまな原因で起こります。原因の特定と、検査や治療(固定・注射・薬の判断を含む)は医療機関の役割です。検査で異常が見つからなかったことだけでは、整体で対応できるかは判断できません。症状が続く場合は、経過と生活上の支障を受診先へ伝えてください。
当院では、初回にお話をうかがい、今の状態と、整体でお手伝いできる範囲・できない範囲をお伝えしたうえで進め方をご相談します。受診が必要と考えられる場合は、その場でお伝えします。医療機関で確認を受けたあとでも、新しい症状や悪化があれば、再度医療機関へ相談することをお勧めします。
よくあるご質問
Q. テニスをしていないのにテニス肘になりますか 通称は競技名ですが、同じ場所の痛みは家事や仕事の動作でも起こります。ただし、肘の外側の痛みがすべて同じ原因とは限らないので、病名を決めずに医療機関で確認してください。
Q. 痛みがある日に相談してもよいですか まず上記の「医療機関へ相談したい症状」に当てはまらないかを確認してください。出血が止まらない、骨が見える、指先の感覚が無い・急に青白く冷たい、片側の急な脱力、意識の異常があるときは 119 番です。外傷のあと、変形、発熱や赤み、急な腫れ、急なしびれがある当日は来院せず、当日中の救急外来へ相談してください。これらに当てはまらないことだけで、整体で対応できるとは判断できません。症状そのものの原因は、まず医療機関で確認してください。
ご予約・アクセス
向ヶ丘遊園駅から徒歩 4 分、登戸駅から徒歩 11 分です。院の場所や駐車場、ご予約方法はアクセス・院情報をご覧ください。ご相談だけでも構いません。


