「スマホを持つ手の親指の付け根が痛い」「ペットボトルのふたを開けると手首にズキッとくる」「抱っこやパソコン作業のあと、手首の親指側が腫れぼったい」。手首や親指の付け根の痛みは、「使い過ぎだから休めばよい」と自分で決めてしまいやすい症状です。一方で、痛む場所や一緒にある症状によっては、医療機関で早めに確認したほうがよい場合があります。
この記事では、手首や親指の付け根が痛むときに整理したいこと、確認したい症状、医療機関へ相談したい症状、負担を増やしにくい工夫、そして受診時に伝えたいことをまとめます。手首の痛みの原因を特定できるのは医療機関です。この記事は判断のための材料としてお読みください。
痛む場所と、痛みが出る動作を整理する
手首の痛みは、場所と動作で相談時の話が変わります。「腱鞘炎かもしれない」と病名を決めて話すより、次の点を整理して伝えるほうが、原因の確認が進みます。
- 痛むのは親指側か、小指側か、手のひら側か、手の甲側か。親指の付け根そのものか
- どの動作で痛むか(つまむ、握る、ひねる、手をつく、スマホを持つ、赤ちゃんを抱く、キーボードを打つ)
- 動かさなくても痛むか、夜間に痛むか
- 片手だけか、両手か
- いつから続いているか。きっかけになる出来事(転倒、手をついた、長時間の作業、新しく始めた作業)はあったか
痛みを誘発して確かめる動作は必要ありません。痛みを強めることがあります。自然に出ている痛みの場所と動作を伝えれば十分です。
腫れ・しびれ・発熱・外傷の有無を確認する
手首の痛みそのものより、一緒にある症状のほうが、相談先と急ぎ具合を決めるうえで大切なことがあります。
- 手首や親指の付け根に腫れ、赤み、熱っぽさがあるか
- 指先のしびれ、感覚の鈍さ、力の入りにくさ(物を落とす、ボタンがかけにくい)があるか
- 発熱や、体全体のだるさがあるか
- 転倒して手をついた、ぶつけたなどの外傷があったか
- 手首以外の関節(指、肘、膝など)にも痛みや腫れがあるか
- 妊娠中・産後か。治療中の病気や飲んでいる薬があるか
外傷のあと、腫れや熱っぽさ、しびれ、ほかの関節の症状がある場合は、後述する「医療機関へ相談したい症状」を先に確認してください。
医療機関へ相談したい症状
次のような症状は、手首の問題として様子を見ず、救急要請(119 番)をしてください。救急車が必要か迷うときだけ、救急相談(#7119)を使ってください。
- けがのあとに出血が止まらない、傷から骨が見えている(どちらか一つでも)
- 痛みが強く、安全に移動できない
- 指先の感覚が無い、または反対側に比べて指先の色が急に青白く冷たい
- 新しく出た、顔のゆがみ、ろれつが回らない、腕だけでなく片側の手足の脱力(このうち一つでも)
- 意識がぼんやりする、受け答えがはっきりしない
- 転倒で頭を打ったあとに、意識がぼんやりする、繰り返し吐く、頭痛が悪化していく(このうち一つでも)
次の場合は、整体や自宅での工夫で様子を見ず、予約診療を待たずに、当日中に救急外来へ相談してください。
- 手首や指が明らかに変形している(一部動かせる場合を含みます)
- 転倒して手をついたあと、手首が腫れて使えない(高齢の方は骨折の可能性を否定できません)
- 転倒して手をついたあと、高齢の方、またはお子さんが痛がる・手を使いたがらない(腫れていなくても、使えるように見えても)
- 発熱や、手首の赤み・熱っぽさを伴う
- 短時間で急激に腫れてきた
- 急な指のしびれ、急な力の入りにくさ
- 安静にしていても強まっていく痛み
- 転倒で頭を打った(上の症状が無くても、当日中に救急外来へ)
次の場合は、整体より先に医療機関(整形外科など)へ、日数を置かずに相談してください。
- つまむ・握る動作の痛みが続き、仕事や家事に支障がある
- 前から続く指先のしびれや力の入りにくさがある
- 夜間に痛みで目が覚める
- 手首以外の関節にも痛みや腫れがある
- 妊娠中・産後、または赤ちゃんの抱っこで痛みが出ている(薬や固定の可否を含めて医療機関で相談)
ここに当てはまらないことは、受診が不要という意味ではありません。「使い過ぎだから」と決めて何週間も我慢する必要はなく、支障があれば日数を待たずに相談してください。
負担を増やしにくい工夫
ここからの工夫は、119 番の症状も、当日中に救急外来へ相談する症状も無いときに限ります。原因がはっきりしないうちは、痛みを確かめるために手首を回したり、親指を強く引っ張ったりしないでください。
- スマホは両手で持つ、台に置く、持つ時間を区切るなど、親指で支え続ける時間を減らす
- 重い物は手首だけで持ち上げず、両手や腕全体で抱える。片手で長く持ち続けない
- 抱っこは、手首を反らせて支えるのではなく、腕全体で抱える形を選ぶ。無理な場合は周りの人と交代する
- パソコン作業は、手首が反ったまま固定されない高さに調整し、途中で手を休める
- 患部を強く揉む、押すことは避ける。温めるか冷やすかで迷ったら試さない。腫れや熱っぽさがあるときは温めない
これらは痛みを強めにくくするための工夫であり、原因への対処ではありません。市販のサポーターや固定具は、締め付けでしびれや冷たさが出るなら使わず、使い方は医療機関で相談してください。工夫をしても痛みが続く、強くなる場合は、日数を待たずに医療機関へ相談してください。
受診時に伝えたいこと
- 痛む場所と動作(前の節で整理したもの)
- いつから続いているか。きっかけの有無
- 腫れ・しびれ・発熱・ほかの関節の症状の有無
- 仕事や家事、育児で手首をどう使っているか
- 治療中の病気、飲んでいる薬、妊娠・授乳の有無
向ヶ丘遊園で相談先を考えるとき
手首や親指の付け根の痛みは、腱や腱を包む組織、関節、神経、骨など、さまざまな原因で起こります。原因の特定と、検査や治療(固定・注射・薬の判断を含む)は医療機関の役割です。検査で異常が見つからなかったことだけでは、整体で対応できるかは判断できません。症状が続く場合は、経過と生活上の支障を受診先へ伝えてください。
当院では、初回にお話をうかがい、今の状態と、整体でお手伝いできる範囲・できない範囲をお伝えしたうえで進め方をご相談します。受診が必要と考えられる場合は、その場でお伝えします。医療機関で確認を受けたあとでも、新しい症状や悪化があれば、再度医療機関へ相談することをお勧めします。
よくあるご質問
Q. 使い過ぎが原因なら、休めば良くなりますか 休むことで楽になる方もいますが、痛みの原因が使い過ぎだけとは限りません。休んでも続く、しびれや腫れを伴う場合は、医療機関で原因を確認してください。
Q. 痛みがある日に相談してもよいですか まず上記の「医療機関へ相談したい症状」に当てはまらないかを確認してください。出血が止まらない、骨が見える、指先の感覚が無い・急に青白く冷たい、片側の急な脱力、意識の異常があるときは 119 番です。外傷のあと、変形、発熱や赤み、急な腫れ、急なしびれがある当日は来院せず、当日中の救急外来へ相談してください。これらに当てはまらないことだけで、整体で対応できるとは判断できません。症状そのものの原因は、まず医療機関で確認してください。
ご予約・アクセス
向ヶ丘遊園駅から徒歩 4 分、登戸駅から徒歩 11 分です。院の場所や駐車場、ご予約方法はアクセス・院情報をご覧ください。ご相談だけでも構いません。


